【3月9日 AFP】中国で、繁殖率が低いことで知られるジャイアントパンダの繁殖を促進すべく、米イエローストーン国立公園(Yellowstone National Park)の3倍の面積に相当する国立公園が設置される。国営英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)が8日、報じた。

 同国南西部の山岳地帯に大熊猫(ジャイアントパンダ)国家公園(Giant Panda National Park)を設置する計画には、今後5年で少なくとも100億元(約1680億円)もの予算が確保された。

 1872年に設置された世界初の国立公園であるイエローストーンの面積が8983平方キロである一方、中国が計画する同国立公園の面積は2万7134平方キロに上る。

 この計画は、現在は四川(Sichuan)省、陝西(Shaanxi)省、甘粛(Gansu)省に孤立して点在する野生のパンダたちがお互いに接触するようになることを目指しており、さらには繁殖につながることが期待されている。

 ジャイアントパンダは繁殖率が低い上に、生息地も失われており、国際自然保護連合(IUCN)の「レッドリスト(Red List)」において「絶滅危惧Ⅱ類(危急種)」に指定されている。

 野生のジャイアントパンダは世界全体で、80%以上が四川省に、残りは陝西省と甘粛省に生息している。(c)AFP