【3月9日 東方新報】「国の補助金政策の調整は避けられない」。中国工業情報化部の苗墟(Miao Xu)部長が以前に言及していたように、新エネルギー車の補助金政策は今後、段階的に縮小されることになりそうだ。

 また、政府の新エネルギー車産業に対する監督管理も、今後厳しくなりそうだ。補助金の減少と監督強化、さらに競争激化で新エネ車メーカーは初めて淘汰の時代を迎えることになる。

 2017年の中国の新エネ車は政策を追い風に、高成長が続いた。中国自動車工業協会によると、同年の新エネルギー車の販売台数は前年比53.3%増の77万7000台だった。

 しかし補助金政策は年々縮小し、補助を受けられる車両の条件も厳しくなっている。「補助金政策は新エネ車市場の発展に大きな役割を果たした。市場が成長するにしたがい、政府の関与は減るだろう」。電気自動車分野の同業者組織である中国電動汽車百人理事会の陳清泰(Chen Qingtai)会長はそう指摘した。

 また、工業情報化部は2017年7月に、新エネ車生産の参入基準を引き上げ、安全監督面での要求を厳しくした。

 中国自動車市場を専門とする研究機関、全国乗用車市場信息聯席会(CPCA)の崔東樹(Cui Dongshu)秘書長は「2018年に補助金政策見直しで最も影響を受けるのはバスだろう」と話す。

 2016年に政府が拠出した700億元(約1兆1726億円)の補助金のうち、バスに割り当てられたのは500億元(約8370億円)、乗用車は100億元(約1675億円)程度だった。

 実際、新エネルギー車の補助金減少の影響は2017年から顕在化している。2017年の業績予想を公表した上場企業のうち、一部メーカーは補助金減少の影響で減益となった。中通客車(Zhongtong Bus)が発表した17年の純利益は1.7~2.3億元(約28~38億円)で、前年同期比で70~60%減少した。同年にバス車両に対する補助金が大幅に減少した影響を受けたという。

 業界内では、政府は補助金の縮小によってメーカーの自立を促しているとの見方が広がっている。「メーカーは技術を向上させなければ、大きな危機に直面する。海外メーカーや新興メーカーとの競争が激しくなれば、優勝劣敗の状況は避けられない。これから多くの自動車メーカーが淘汰され、合併などが起こるだろう」。清華大学自動車エンジニアリングの陳全世(Chen Quanshi)教授は指摘している。(c)東方新報/AFPBB News