【3月9日 AFP】国際パラリンピック委員会(IPC)のアンドリュー・パーソンズ(Andrew Parsons)会長は8日、2018年平昌冬季パラリンピックに派遣されたロシア選手団について「どの国とも同等にクリーン」であると述べ、大規模なドーピングスキャンダルにもかかわらず同国を中立旗の下で参加することを認めた決断を擁護した。

 ロシアからは、9日に開幕する平昌パラリンピックに30人の選手が出場。個人資格でアルペンスキー、スノーボード、車いすカーリングなどの競技に臨むことになっている。

 先月開催された平昌冬季五輪でも同じ処遇が取られたが、同大会には168人の「クリーン」なロシア選手が中立の立場で参加し、そのうち2人がドーピング検査で失格となった。

 IPCの決断については、ドイツ・パラリンピック委員会(DBS)の会長が「クリーンな選手の顔を平手打ち」するようなものだと批判したと報じられるなど、全面的に支持されているわけではない。しかし、6か月前にIPCのトップに就任したパーソンズ会長は、ロシア選手が「大きく進歩していることを、われわれは認識する必要がある」と主張し、同国の参加を認めた判断を擁護した。

 平昌で記者会見に臨んだパーソンズ会長は、平昌パラリンピックに参加するロシア選手は厳しい条件を満たさなければならず、注意深く監視されているとした上で、「確固たる自信の下に、今大会に出場するロシア選手がどの国とも同等にクリーンであると保証することができる」と述べた。

 ロシアで大規模な組織的ドーピングが横行していたとするスキャンダルが発覚したことを受け、IPCは2016年のリオ・パラリンピックで同国の選手団派遣を全面的に禁止した。

 ロシアに対する疑惑が不気味に見え隠れしていた先月の平昌五輪では、同国の選手2人がドーピング検査で失格になりながらも、国際オリンピック委員会(IOC)は閉会式の3日後に同国の資格停止処分を解除した。(c)AFP