■「弱者たち」

 プトゥ氏はAFPの取材に「不可思議であるのが常なので、裁判官が判決を下すのが難しい」と述べ、証拠を得るのは困難か不可能だと語る。確固たる証拠がない場合は、ただの告発だけで十分に有罪となることが多い。この司法制度の不備を悪用し、ねたみを発散させたり恨みをはらしたりする人もいると同氏は指摘する。

 ビンボ刑務所のロジャー・ンガカパッシ(Roger N'Gaka-Passi)所長は、PCSの主な標的になっているのは女性だと認めた。「おそらくここの女性20人ぐらいがそうだろう。男性のPCSの事例はほとんどない」

 人類学者ルイーザ・ロンバード(Louisa Lombard)氏は著書「Making Sense of CAR(中央アフリカ共和国を理解する)」で、「女性が男性と直接対決するようになり、はびこる家父長的序列に挑戦をつきつけていることで、このような現象が起こっているのかもしれない」と指摘する。

 プトゥ氏は、PCSで有罪にされた女性が刑務所から出ても、地域社会から拒否される危険性があると述べる。プトゥ氏がパソコンで見せてくれた2015年の写真には、バンギの北西約100キロのボアリ(Boali)で、魔術を使ったとして体をむごたらしく切断された年老いた女性の姿が写っていた。(c)AFP/Charles BOUESSEL