【3月8日 東方新報】中国の出前サービスなどで知られる美団(Meituan)の関連会社で、O2O(Online to Offline)サービス大手の美団点評(Meituan-Dianping)は今月中旬、配車サービスを北京(Beijing)、杭州(Hangzhou)など全国7都市で本格的にサービスを拡大する。

 業界勢力図が固まりつつあった配車サービスに新たな参入者が現れた一方、配車サービス最大手の滴滴出行(Didi Chuxing)が出前サービス参入を視野に、配達員を募集していることも明らかになった。

■出前大手が16日から7都市で配車サービス

 美団打車の運営会社である上海路団科技は、美団創業者の王興(Wang Xing)CEOらによって2017年1月に設立された。同年2月から、配車サービスの「美団打車(Meituan Dache)」が南京で試験営業を行ってきた。

 16日から、北京のほか成都(Chengdu)、温州(Wenzhou)など7都市で同時にサービスを提供する。

 美団は生活に密着したO2Oサービス分野で、すでに6億人のユーザー(うちアクティブユーザーは2億2000万人)を擁する。同社が強みを持つ飲食、旅行、映画、カラオケ、レジャーなどの分野は、いずれも配車サービスとの相乗効果が見込まれる。美団は配車サービスを開始後、これらのサービスとの連携を図るだろう。

■配車大手は、出前の配達員を募集中

 美団が配車サービスに参入したことで最も影響を受けるのが、滴滴出行だ。現在は圧倒的シェアを誇る滴滴だが、サービス開始当初は割引サービスを大展開し、運転手と乗客を呼び込んだ。美団打車も同じ方法を用いることは想像に難くなく、配車サービス業界の競争が再度、激化するのは間違いない。

 しかし滴滴も、黙ってはいない。出前サービス事業参入に向け、2017年末から10人前後のチームが水面下で準備を進めていると報じられていた。

 滴滴の求人情報によると、出前サービスを始めるのは無錫市(Wuxi)で、今後、他の都市でも配達員を募集するようだ。

 滴滴は15年、出前サービスの餓了麼(Ele.me)に出資している。今後、美団と滴滴が互いの領域に足を踏み入れることで、配車サービスと出前サービスの垣根を超えた競争が加速しそうだ。(c)東方新報/AFPBB News