【3月7日 AFP】オンライン上で摘発された児童への性的虐待に関する画像や動画のうち、約3分の1が男児への虐待であったことが、6日に発表された国際刑事警察機構(インターポール、InterpolICPO)などの最新の調査結果によって明らかになった。また、男児の被害は女児よりも虐待が深刻な傾向があったという。

 調査は100万以上に及ぶ画像や映像を基に、インターポールと児童への性的虐待根絶を目指すタイ・バンコク拠点の国際団体「エクパット(ECPAT)」が実施した。

 ブリュッセルで開かれた記者会見で明らかになった調査結果によると、被害に遭った児童のうち64.8%が女児で、31.1%が男児だった。また男女両方が写っていたのは全体の4.1%で、性別にかかわらず年齢の低い児童の方が「虐待が深刻である傾向が強かった」という。被害者の中には歩き始めの幼児もいたという。

 性的虐待の被害に遭う頻度は女児や年齢の高い子どもの方が男児や幼児よりもずっと高いとみられていたことから、インターポールとエクパットは調査結果が貴重なもので、更なる調査が必要だと指摘している。

 調査では被害について裸、性的なポーズ、明確な性的行為、暴力、サディズムや獣姦(じゅうかん)といった甚大な暴力に分類。摘発された画像はインターポールがおよそ10年前に設置した国際児童性的搾取(International Child Sexual ExploitationICSE)データベースに保管される。

 同データベースではこれまでに1万2000人の被害者の身元が特定されているが、現在は半数以下の国としか接続されていないため、多くの被害者の身元が分からないままとなっている。アフリカ諸国で接続されている国は皆無で、アジアでも少数の国のみだという。

 データベースの高性能ソフトウエアによる画像や動画の分析により、被害者のみならず虐待の加害者、データベースとつながった国であれば場所も特定することが可能だが、これまで特定に至ったのは約47%にとどまるという。(c)AFP