【3月6日 AFP】米プロバスケットボール(NBA)、ロサンゼルス・レイカーズ(Los Angeles Lakers)の伝説的選手として知られるコービー・ブライアント(Kobe Bryant)氏が、通算5度の優勝よりもオスカー獲得の方が意味があると発言し、同球団で指揮を執るルーク・ウォルトン(Luke Walton)ヘッドコーチ(HC)は驚きを隠せない様子をみせた。

 現在39歳のブライアント氏は、アニメーション監督のグレン・キーン(Glen Keane)氏と伝説的な作曲家のジョン・ウィリアムズ(John Williams)氏とコラボレーションした自身が題材の作品「Dear Basketball」で、第90回アカデミー賞(Academy Awards)の短編アニメーション賞を受賞した。そして、オスカー像を受け取った後のバックステージでは、「正直なところ、優勝したときよりも気分が良い」と話していた。

「子ども時代は、大人になったら優勝することが夢だったけれど、第一線を退いてからこんな賞をもらえるなんてね…。周囲から『引退したら何をしたいですか?』と聞かれたときは、『ライター』と答えていたんだ。『それは、すてきですね』と言われたけど、ここにいることでそれが実証された。まったく、信じられないよ」

 ウォルトンHCは5日、ブライアント氏のこの発言について報道陣に質問されると、「彼がそう言ったのかい? 真面目な顔で? その映像は見ていないけれど、皮肉のような意味が込められているのだと思う。だけど、どうかな。彼の話だからね」と答えた。

 ロサンゼルスではアイコン的存在であるブライアント氏だが、米ハリウッド(Hollywood)の大物プロデューサーであるハーヴェイ・ワインスタイン(Harvey Weinstein)氏のセクハラスキャンダルが持ち上がっている中で、今回の受賞について一部では困惑の声が上がっている。

 ブライアント氏は2003年に、コロラド州のホテルで19歳の女性従業員に性的暴行を加えた容疑で逮捕された。同氏は性的関係を結んだことついては認めたものの、合意の上での行為だったと主張。被害者が証言を拒否したため刑事訴訟は取り下げられ、その後の民事裁判でも同氏が罪を認めないまま和解に至った。(c)AFP