【3月6日 AFP】シリアの首都ダマスカス近郊の反体制派支配地区、東グータ(Eastern Ghouta)で5日、国連(UN)などが援助物資を輸送したが、政府軍による攻撃が続き民間人に死者が出るなどしたため活動を予定よりも早く切り上げた。

 国連は援助物資を積んだトラック数十台が東グータ最大の町ドゥマ(Douma)に入ったと発表。一方で監視団体によると、同地区では5日だけで少なくとも民間人68人が死亡している。

 シリア政府は2週間前にロシアの支持も受けながら攻撃を開始して以来、救援物資の医薬品の持ち込みを禁じていた。

 政府軍が新たな空爆を行うなどして攻勢を強め、同地区の40%を制圧するなか、援助物資を積んだトラック46台が現地に入った。

 ドゥマのAFP記者によると、救援物資がトラックから降ろされている最中にも戦闘機が上空を飛び、爆発音が聞こえたという。

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、援助物資を運ぶ車列はドゥマに約9時間滞在。しかし5日午後、当初の予定よりも早く東グータを離れたという。

 UNHCRシリア事務所代表のサジャド・マリク(Sajjad Malik)氏は「爆撃の中、可能な限りの物資を運んだ」とツイッター(Twitter)に投稿。「市民らは悲惨な状況に巻き込まれている」と訴えた。

 国連人道問題調整事務所(OCHA)のリンダ・トム(Linda Tom)報道官もAFPに対し、救援物資の輸送中にも空爆などは続き、ドゥマでは物資の荷下ろし中にそうした攻撃があったと話した。(c)AFP/Hasan Mohamed with Rim Haddad in Damascus