【3月12日 AFP】尽きることのない才能の鉱脈から、次々にサッカー界のダイヤモンドが掘り出されるブラジル。今や誰もが知るスーパースターとなったネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)から、その高い評価を引き継ぎそうな最新作がカンピオナート・ブラジレイロ(ブラジル全国選手権)のフラメンゴ(Flamengo)でプレーするビニシウス・ジュニオール(Vinicius Junior)だ。

 移籍金4500万ドルでスペイン1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)に加入することが2017年に内定したビニシウスは、まだ17歳なのにもかかわらず、次代のビッグスターになることをファンに確信させる要素をすべて持ち合わせている。

 昨年、スペインの強豪レアルがビニシウスに対してそれだけの金額を提示した際には、一種の賭けとみる向きもなくはなかった。何しろ、当時のビニシウスはまだプロで2試合に出場しただけだったからだ。しかし、それから9か月、ビニシウスはフラメンゴで不安の声を振り払うプレーを続けている。18歳になる7月には飛行機に乗り、欧州王者の一員となるビニシウスは、すでにその心構えはできていると話す。

「(レアルでプレーするブラジル人の)カゼミーロ(Casemiro)やマルセロ(Marcelo Vieira Da Silva Junior)から、定期的に連絡をもらっている。年末には現地に行って、クリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)のような選手とも顔を合わせた。夢のようなクラブだけど、どんなことにでもふさわしい時期がある。今はフラメンゴでのプレーに集中している」

 キャリアの視界が急速に開けていく中、ビニシウスは夏に行われるW杯ロシア大会(2018 World Cup)の代表入りも夢見ている。実際、ブラジル代表のレジェンドであるロナウド(Ronaldo)氏は、出場機会こそなかったものの、1994年の米国大会のメンバーに入り、W杯制覇を経験した。

 ビニシウスは、ロナウド氏と同じく代表のレジェンドであるロナウジーニョ(Ronaldinho)氏からも意見をもらっているようで、「少し前に会い、代表はみんなの仲を深めるために若手を連れていくことがよくあると言っていた。僕のことを応援すると言ってくれたよ」と話している。

 ネイマールの状態に不安が生じていることを考えれば、ビニシウスのチャンスも広がったといえるかもしれない。フル代表のチッチ(Adenor Leonardo Bacchi aka Tite)監督にまだ招集されていないビニシウスだが、17歳以下の年代別代表では旋風を巻き起こした。パラグアイの選手をもてあそぶかのように、相手の頭上を通すサンバフリックを3回連続で決める映像は、ブラジル国内で繰り返し放送され、その直後にレアルが獲得を発表した。