【3月3日 AFP】米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)のシアトル・シーホークス(Seattle Seahawks)でスーパーボウル(Super Bowl)制覇の実績を持つQBラッセル・ウィルソン(Russell Wilson)が2日、大リーグ(MLB)のニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)の選手としてオープン戦に出場し、空振り三振という結果に終わった。

 大学時代に野球選手として将来を有望視されていたウィルソンは、コロラド・ロッキーズ(Colorado Rockies)傘下のアッシュビル・ツーリスツ(Asheville Tourists)に所属していた2011年を最後に、プロとして打席でバットを振った経験はなかった。

 ウィルソンはその後、野球から離れて2012年にNFLのキャリアを開始すると、2年目にシーホークスでスーパーボウルを制覇。翌シーズンも大舞台に出場したものの、ニューイングランド・ペイトリオッツ(New England Patriots)に土壇場で逆転を許し、スーパーボウル連覇を逃した。

 NFLで名声を手に入れたウィルソンだったが、その間も野球に足を踏み入れており、テキサス・レンジャーズ(Texas Rangers)の春季キャンプに2度参加。今回はヤンキースの練習に招待され、フロリダ(Florida)州タンパ(Tampa)で2日に行われたアトランタ・ブレーブス(Atlanta Braves)とのオープン戦では実際に打席に立つチャンスが訪れた。

 先月26日からヤンキースの練習に参加し、フィールディングとバッティング練習に臨んでいたウィルソンは、2011年にブレーブス傘下のローム・ブレーブス(Rome Braves)戦で併殺打に倒れてから約7年間ぶりとなる打席で、カウント2-2からマックス・フリード(Max Fried)が投じた約150キロの速球に空振り三振に倒れた。

 今週末にヤンキースを離れる予定になっているウィルソンは、ワールドシリーズ制覇通算27回の名門チームと今季再び活躍が期待される布陣の雰囲気をロッカールームで存分に味わったと話し、「チームの統制力が本当に素晴らしい。この球団には誇りと伝統があることが感じられた。それを実感したよ。27回も優勝しているのは当然のことだ」と語った。

 ウィルソンはまた、オープン戦に出場する可能性があることについては、シーホークスのピート・キャロル(Pete Carroll)ヘッドコーチ(HC)やジョン・シュナイダー(John Schneider)ゼネラルマネジャー(GM)に伝えていたとして、「彼らとはずっと連絡を取っていた。実際にずっと練習やトレーニングを積んでいたしね。彼らもそのことを知っている。それはキャリアの一部だ。自分は黙ってカウチに座っているような選手じゃない」と語った。

 NFLのスカウティング・コンバインに参加しているキャロルHCも、ウィルソンが打席に立つことは何の問題もないとしており、「彼はきちんと報告してきている。彼は並外れた集中力で、正しく物事に取り組んでいる。ベースボールをすることも、何か問題があるとはまったく思っていない」と述べた。(c)AFP