【3月3日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が新たな「無敵」兵器を誇示したことについて、米国と北大西洋条約機構(NATO)が懸念を表明する中、ロシア政府は2日、新たな軍拡競争に参加する意向はないと表明した。

 投票日まで3週間を切ったロシア大統領選で任期を2024年まで延長する見込みのプーチン大統領は、1日の年次教書演説で、ロシアが新たに開発した極超音速兵器と潜水艦を紹介し、西側諸国とロシア国内の多くの人々に衝撃を与えた。

 プーチン大統領は演説で、これら新兵器は西側のミサイル防衛システムを時代遅れにするだろうと言明。NATOはこれに対し、欧州に配備されている同システムはロシアに向けられたものではないとして、激しく反発した。

 米政府は、ロシアの新兵器開発は冷戦(Cold War)時代の軍縮条約に違反するものだと非難。また、米国に対する核攻撃を描いたアニメーション動画が演説で使用されたことについて、米国務省のヘザー・ナウアート(Heather Nauert)報道官は「残念」と言明した。

 ドイツ政府の2日の発表によると、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領とアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)独首相は電話会談で、プーチン大統領の演説に対する懸念を共有した。

 一方、ロシアのドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)大統領報道官は、同国が軍縮条約に違反したとの批判を一蹴。「われわれは、ロシアが軍縮と軍備管理に関する国際法の規定や条項に違反するとの非難を、断固として拒絶する」と述べ、「ロシアはいかなる軍拡競争にも引き込まれない」と表明した。(c)AFP/Anna SMOLCHENKO