【3月1日 AFP】ロシア五輪委員会(ROC)は28日、国家ぐるみのドーピングで国際オリンピック委員会(IOC)から科されていた資格停止処分が解除されたと明かした。IOCも同日、この決定について認めた。

 平昌冬季五輪に参加したロシア選手を表彰する祝宴が開かれた同国大統領府(クレムリン、Kremlin)で、ROCのアレクサンドル・ジューコフ(Alexander Zhukov)会長は「ROCは全面的に資格を回復した」と発表。ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領に対しては、中立旗の下で選手たちが同大会に出場する許可を与えてくれたことに感謝した。

 同会長はIOCから28日に届いた文書で、平昌五輪の薬物検査で2人が陽性反応を示したOAR(ロシアからの五輪選手)からその後は違反者が一人も出なかったことが確認されたとして、「われわれの選手を対象にした大会終盤のドーピング検査は、すべて陰性だった」とコメント。IOCも声明で、ロシアの処分は「即刻、自動的に解除された」と述べた。

 ロシアは昨年12月、大規模なドーピング違反の発覚を受けて平昌五輪への選手団派遣を禁止されたが、「クリーン」と判断された168選手については五輪旗の下で参加することが認められた。

 ジューコフ会長はまた、資格停止処分を受けた昨年12月5日以降の時期について、「ロシアスポーツ界及び国内の五輪ムーブメントの歴史において、おそらく最も困難な数か月間だった」とすると、「厳しい条件」の下で競技に臨んだ選手たちを特にたたえた。

 大統領府で開かれた表彰式では、プーチン大統領が五輪での処分について「めくり去らなくてはならないページ」と述べて選手たちを称賛すると、「皆さんは最高の身体能力と人格を示し、闘志を見せてくれた」、「あらゆる困難にもかかわらず、大会ではうれしい驚きがあり、新たな英雄たちが生まれた。チーム全員に感謝する」と語った。

 この前日には、メダリストたちがメルセデス・ベンツ(Mercedes-Benz)のスポーツ用多目的車(SUV)のキーを受け取った。フィギュアスケート女子シングルで銀メダルに輝いたエフゲニア・メドベデワ(Evgenia Medvedeva)は短いスピーチで、「魂のすべてをパフォーマンスに注ぎました。私たちは母国のメダルのために戦いました」と話した。(c)AFP/Maria ANTONOVA/Maria PANINA