【2月28日 AFP】今月初めに台湾東部を襲った地震で大きく傾いたビルを建設した業者の責任者が27日、業務上過失致死の疑いで身柄を拘束された。台湾の検察当局によると、この責任者は建設現場を監督するのに必要な資格を持っていなかった。

 問題のビルは人気の観光地、花蓮(Hualien)にあった12階建ての雲翠(Yun Tsui)ビルで、住宅のほかホテルや飲食店が入っていたが、6日に発生したマグニチュード(M)6.4の地震で下層階が押しつぶされて大きく傾いた。

 この地震による死者は計17人で、このうち14人が雲翠ビルで死亡した。犠牲者の中には、今週になってようやく遺体が収容された中国の北京から訪れていた中国人カップルも含まれている。

 雲翠ビル建設の責任者は業務上過失致死の疑いで27日に身柄を拘束された。またこの他に3人が勾留されていたが保釈された。この3人は起訴はされていない。

 花蓮の地方検察によると、この責任者は建設現場を監督するのに必要な技師などの資格を持っていなかったにも関わらず、現場監督の仕事を専門会社に発注せずに自ら務めていたとみられる。

 地検は、この責任者が作業員を雇って自らビル建設の現場監督を務めた結果、完成した雲翠ビルは強度と耐震性が著しく低くなり、このせいで地震発生からわずか8秒で傾いたと述べている。(c)AFP