【2月28日 AFP】欧州は27日、シベリア(Siberia)からの大寒波に見舞われ、広い範囲で厳しい冷え込みとなった。ヤシの木が立ち並ぶビーチも雪で覆われ、ホームレスの人々や高齢者に対する注意喚起が出された。

 北極圏では記録的な高温となっているのに対し、欧州ではこれまでの4日間で合わせて少なくとも24人が死亡した。フランスのコルシカ(Corsica)島やイタリアのカプリ(Capri)島といった温暖な地中海地方でさえ雪が降った。

 ポーランドは26日、首都ワルシャワで夜間の気温が氷点下16度まで下がり、同国だけで少なくとも5人が死亡。これで昨年11月以降、寒波による同国の死者は53人になった。

 23日以降の犠牲者の大半はホームレスの人々で、フランスで3人、チェコで3人、イタリアで1人が死亡した。欧州各地で緊急シェルターや救援物資の提供が行われた。 

 ベルギーのエテルベーク(Etterbeek)、ベルビエ(Verviers)、シャルルロア(Charleroi)などの自治体は警察に対し、シェルターへの入所を拒んだホームレスの人々の拘束を命じる措置に踏み切った。

 欧州への主要なガス供給企業であるロシア国営ガスプロム(Gazprom)によると、暖房需要の増加でこの6日間の欧州へのガス輸出量は記録的な水準になっており、ピークとなった26日は6億6700万立法メートルに達した。(c)AFP/Joseph Schmid