【2月28日 AFP】米フロリダ州の高校で今月発生した銃乱射事件への対応をめぐり辞職に追い込まれ、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領から「臆病者」呼ばわりされた元保安官代理が26日、約2週間の沈黙を破って当時の行動を釈明した。

 14日にマージョリー・ストーンマン・ダグラス(Marjory Stoneman Douglas)高校で起きた事件では、生徒14人と職員3人が死亡。元保安官代理のスコット・ピーターソン(Scot Peterson)氏(54)は、現場に配置されていながら対応を怠ったと批判されている。

 同氏の弁護士は声明で、「誤解のないようにしたい。ピーターソン氏は、あの日自分が17人の早すぎた死を防げていたらと願い、遺族に心を寄せている」とした上で、「とはいえ、ピーターソン氏が臆病者であり、あの状況下での行動が警察官の規範にもとるものだったとする見方は明らかに間違っている」と訴えた。

 ブロワード(Broward)郡のスコット・イズリエル(Scott Israel)保安官は、ピーターソン氏に無給停職処分を科した際、同氏の行動は職務怠慢だったとの見解を示していた。同保安官によると、同氏は最初の発砲があってから1分半後には犯行現場の校舎に到着していたにもかかわらず、屋外に「4分以上」とどまり、建物内には入らなかった。

 イズリエル保安官は、ピーターソン氏が取るべきだった行動は何かとの質問に「中に入り、殺人犯に立ち向かい、殺人犯を殺すべきだった」と回答。これに対し同氏の弁護士は、保安官の見解は「発生した出来事の甚だしい単純化」だと指摘している。

 弁護士によると、現場の建物に駆け付けたピーターソン氏は「複数の銃声を聞いたが、学校の構内のいずれかの建物の外から聞こえていると考えた」。屋外で発砲があった際には「見聞きした内容を警察の他の担当者らに伝えるため、身を隠す場所を探して状況評価を行う」ことになっているという。

 ピーターソン氏は「戦術的配置」につき、ブロワード郡保安官事務所に銃声を聞いたと連絡した上で、構内全体の封鎖措置を開始。その後、建物内への鍵を機動隊に渡した上、生徒の避難に役立てるための手描きの構内図も提供したと、弁護士は説明している。(c)AFP/Chris Lefkow