【2月27日 AFP】インドネシア・アチェ(Aceh)州の州都バンダアチェ(Banda Aceh)で27日、子ども向けのゲームに興じてシャリア(イスラム法)違反に問われたキリスト教徒2人が、公開むち打ちの刑に処された。周囲には数百人の見物人が集まり、侮蔑の言葉を投げ掛けたり写真を撮ったりした。

 世界最大のイスラム教徒人口を抱えるインドネシアの中でも、シャリアと呼ばれるイスラム法が施行されているのはアチェ州のみ。ギャンブルや飲酒、同性愛行為、不倫などの違法行為に及んだ者にはむち打ち刑が科されることがある。

 この日、刑を受けたのは61歳の男性と45歳の女性。2人は子ども向けの娯楽施設でゲームに興じたとして逮捕された。この施設では、現金を含む賞品や金券などにコインを交換することができるという。「賭博」の罪で男性は6回、女性は7回むち打たれた。また別の男性も、同じゲームに関わったとして19回のむち打ちを受けた。

 モスク(イスラム礼拝所)のそばに設置された壇の周りには、隣国マレーシアからの観光客20人前後を含む見物人が約300人集まった。この3人に対して刑が執行される際には、「いい年をして、反省しろ」などとやじが飛んだ。

 この日は3人に加え、公衆の面前で愛情表現をしたとされるカップルも、それぞれ20回余りむちで打たれた。(c)AFP