【2月27日 東方新報】卓球W杯団体戦は25日、ロンドンで決勝が行われ、日本と対戦した中国は男女それぞれ3-0で下し、優勝を飾った。

 23日に行われた準決勝では、中国は英国と対戦。英国戦の実況解説には、元中国代表総監督の劉国梁(Liu Guoliang)氏が登場。わずか1時間程度の試合中に、それぞれの選手の技術や戦術、心理状態や、こぼれ話などを親しみを込めながら紹介して視聴者の注目を集めた。

 劉氏をめぐっては、昨年6月に中国チームの総監督を解任されたことで、それを不服とした世界ランキング1位の馬龍(Ma Long)選手ら同国のトップ選手3人が、同月に中国で行われた大会をボイコットする事態に発展。馬選手らは、国際卓球連盟(ITTF)から罰金処分を受けている。

 試合の模様をライブ配信する「中国体育」で実況解説を行った劉氏は、「許シン(Xu Xin)は単純、馬龍は慎重派」などと紹介した。

 樊振東(Fan Zhendong)選手については、冗談交じりに「あのぽっちゃりさんに負けた相手は、試合がつまらなかったと感じてしまう」。樊選手の技術は単一的で、自分からはあまり変化球を打たない。相手が変化球を打ってきた時だけ対応するのだという。しかし実力はあるため、負けた相手は変化に乏しい試合に、「つまらなかった」と感じてしまうのだという。

 馬選手はその慎重な性格ゆえに、技術的なバリエーションも豊富だ。劉氏は、「試合を見極める能力はずば抜けている。彼の卓球はまるで芸術のようだ。卓球台全体を無駄なく有効に使っている」と評価した。

 初めての実況解説を終えた劉氏は、「とても楽しかった。リラックスした環境で、視聴者の反応もリアルタイムにわかった。卓球というスポーツを現代の若い人に広めるのに役立つだろう。視聴者に選手たちの意外な一面を紹介できたと思う。これをきっかけに卓球をもっと好きになってもらいたい」と話した。

 中国を倒して優勝を狙っていると話していた日本の張本智和(Tomokazu Harimoto)選手に話が及ぶと、「目標は叫べばいいってものじゃない。実力で勝ち取るものだ」と手厳しいコメントだった。(c)東方新報/AFPBB News