【2月26日 AFP】カンボジアで25日、議会上院の選挙が投開票され、暫定集計結果によると与党カンボジア人民党(CPP)が全議席を獲得すると見通しとなった。有力な対抗勢力がないまま実施された今回の選挙については、茶番との批判も上がっている。

 フン・セン(Hun Sen)首相はメディアや市民団体、野党に対する締め付けを強めており、最大野党のカンボジア救国党(CNRP)は、党首が国家反逆容疑で逮捕された後の11月に最高裁によって解党を命じられた。

 上院は権限が小さく、議員らによる間接選挙制をとっているため、今回の上院選に対する国民の関心は薄い。しかし、与党圧勝という結果は7月に行われる総選挙の行方を占うものだ。

 国家選挙管理委員会が25日夜に発表した暫定集計結果によれば、人民党が約1万1200票を獲得し、全議席を占める見通し。上院の定数は62で、国王と下院が2議席ずつ指名する4議席を除く58議席を下院議員と地方議員が投票で選ぶ。

 一方的な選挙だったにもかかわらず、人民党の広報担当者はこの結果を「大勝利」と評し、同党が全58議席を獲得したようだと述べている。

 最終集計結果は3月初めに発表される見通し。(c)AFP