【2月26日 AFP】25日に行われたサッカーギリシャスーパーリーグ(1部)のPAOK FC対オリンピアコス(Olympiacos)の一戦で、観客席から投げ込まれたトイレットペーパーでオリンピアコスの監督が負傷し、試合が中止になった。

 スペイン出身でオリンピアコスの指揮を執るオスカル・ガルシア(Oscar Garcia)監督は、キックオフの直前に観客が投げ込んだトイレットペーパーを顔面に食らい、唇を切って出血。さらにめまいもするとのことで、救急車でテッサロニキ(Thessaloniki)市内の病院へ搬送され、警察の厳重な警護の下、病院で一晩を過ごした。その後の容体については発表されていない。

 主審は無言で会場を後にしたが、後ほどギリシャサッカー連盟(HFF)へ中止に関する報告書を提出する。PAOKには0-3の敗戦扱いに加え、勝ち点3剥奪と重い罰金、また2試合から3試合のホーム無観客の処分が科されるとみられている。

 指揮官の負傷を受け、オリンピアコスは抗議のため選手たちをピッチから引きあげさせた。クラブの副会長でゼネラルディレクターのサッバス・セオドリディス(Savvas Theodoridis)氏は「チームを連れて去った。さよならだ」と怒りのコメントを残している。

 一方、PAOKの広報部長は「オリンピアコスが目的(試合の中止)を持ってここへ来たのは明らかだ。彼らはもう30年も挑発を続けている。やって来て叫び、騒動を引き起こすんだ」と語った。

 怒ったPAOKのファンは会場の外でも暴動を起こし、スタジアムを出た後に警察と衝突して、鎮圧のために催涙ガスが使用される騒ぎになった。ファンはゴミに火をつけたり、止めてある車を壊したりして、1人が逮捕されている。

 PAOKは現在リーグ首位で、リーグ7連覇中の3位オリンピアコスに10ポイント近い勝ち点差をつけている。(c)AFP