【2月25日 AFP】(更新、写真追加)タカ派軍人率いる北朝鮮の代表団が、平昌冬季五輪の閉会式に出席するため韓国入りした。韓国政府が25日、明らかにした。

 韓国統一省の報道官によると、朝鮮労働党の金英哲(キム・ヨンチョル、Kim Yong-Chol)中央委員会副委員長率いる8人の代表団は25日朝、軍事境界線を越えて韓国入りした。

 テレビはロングコートを着た金英哲氏が韓国統一省の千海成(チョン・ヘソン、Chun Hae-Sung)次官に出迎えられ、韓国側が用意した黒いセダンに乗り込む様子を放送した。他の人たちはバスやワゴン車に分乗した。

 金英哲氏は2010年に韓国海軍の哨戒艦「天安(Cheonan)」が魚雷によって沈没し46人が死亡した事件など韓国に対する一連の攻撃に関与したとされており、今回の訪韓は物議を醸した。24日にはソウルで、哨戒艦沈没の犠牲者遺族らが抗議行動が行ったほか、25日朝にかけては複数の保守系議員を含む数十人が、北朝鮮と韓国の軍事境界線付近で「金英哲を逮捕せよ」などと書かれた横断幕を掲げてデモを行った。

 金英哲氏は国連安保理(UN Security Council)の制裁は科されていないが、韓国独自の制裁で資産凍結の対象になっている。(c)AFP