【2月24日 AFP】平昌冬季五輪で23日に発覚したOAR(ロシアからの五輪選手)の選手による新たなドーピング違反は、フィギュアスケートの女子シングルでアリーナ・ザギトワ(Alina Zagitova)が獲得したチームにとっての初めての金メダルに暗い影を落としたことに加え、ロシアが早期に五輪資格を回復する可能性に影響を及ぼすかもしれない。

 ロシアのボブスレー・スケルトン連盟(RBSF)は同日、ボブスレー女子チームのパイロット、ナデジダ・セルゲエワ(Nadezhda Sergeeva)について、18日に行われたドーピング検査で世界反ドーピング機関(WADA)で禁止薬物に指定されている「心臓病の薬」に陽性反応を示したと声明で発表した。

 国際オリンピック委員会(IOC)が大規模なドーピングスキャンダルが発覚したロシアの処分解除について検討しているなか、平昌五輪でロシア選手の薬物違反が明らかになったのは、カーリングの混同ダブルスで銅メダルをはく奪されたアレクサンドル・クルシェルニツキー(Alexander Krushelnitsky)に次いで2例目となる。

 21日に行われたボブスレー女子2人乗りで、アナスタシア・コチェルジョワ(Anastasia Kocherzhova)とのペアで14位に入ったセルゲエワは、ロシアが2014年ソチ冬季五輪をピークに組織的なドーピングを行っていたことで同国五輪委員会(ROC)が資格停止処分を受け、追加検査に合格して中立の立場で平昌五輪に参加している168選手の一員だった。

 反ドーピング専門家による追加審査にもかかわらず、ロシアは平昌五輪におけるドーピング件数の半分を占めている。今大会ではほかにスピードスケート・ショートトラック男子日本代表の斎藤慧(Kei Saito)と、アイスホッケー男子スロベニア代表のジガ・イェグリッチ(Ziga Jeglic)が検査で失格となっている。(c)AFP/Talek HARRIS