【2月23日 AFP】国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)は23日、ミャンマー西部ラカイン(Rakhine)州の衛星写真から、イスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)の少なくとも55か所の集落がここ数か月のうちに当局によってブルドーザーで更地にされたと発表した。HRWは、軍が残虐行為に及んだとされる場所で政府が証拠隠滅を図ったものと非難している。

 昨年8月、ミャンマー軍がロヒンギャ掃討作戦に乗り出してからというもの、約70万人のロヒンギャが隣国バングラデシュに避難し、同州北部に残るロヒンギャはほぼ皆無となった。

 人口の大半が仏教徒であるミャンマーでロヒンギャは激しい差別を受けており、国連(UN)はミャンマーがロヒンギャに対し民族浄化を推し進めていると非難している。

 ミャンマー側はこれを否定しているものの、ロヒンギャ数千人が殺害されたとみられる地域への国連調査団の立ち入りは拒否し続けている。

 ロヒンギャ難民の話では、軍兵士や仏教徒の民兵らが放火や銃撃、レイプによって集落を恐怖に陥れ、暴力行為が始まった最初の数か月だけで数百か所の集落が燃やされたという。

 HRWが入手した衛星写真からは、昨年11月以降ミャンマー当局がさらに少なくとも55か所のロヒンギャ集落を重機で破壊し、あらゆる建物や植生が一掃された様子がうかがえる。

 またHRWは、以前放火の被害を受けていなかったにもかかわらず、今回更地にされた集落が少なくとも2か所あるとしている。(c)AFP