【2月26日 東方新報】中国IT大手テンセント(Tencent)が手がけるウィーチャット(WeChat)が昨年1月にリリースした情報ポータルアプリ「ミニプログラム(小程序、MiniProgram)」はこのほど、偽ブランド品を取り扱うアカウントを875件削除した。

 ミニプログラム内には、依然として偽ブランド品を扱うアカウントが多数存在している。弁護士は、偽ブランド品の販売や商標権の侵害は、違法行為だと指摘している。「高倣(高度に模倣した偽物)」「精倣(精巧に模倣した偽物)」といったキーワードをミニプログラム内で検索すると、偽ブランド品を取り扱うアカウントが1000件以上表示される。

 しかしこういった偽ブランド品を取り扱うアカウントの多くは、商品を表示するだけで、ミニプログラムを通じては購入できない。店側は顧客と互いのアカウントを直接フォローするなどして購入・支払いの手続きを進める。

 あるミニプログラムの商店主によると、ミニプログラム上にアカウントを開設する専門業者がおり、150~200元(約2500~3370円)で請け負ってくれるという。その場合、商品を表示する機能しかつけられない。

 従来のEコマースの店舗への流入が伸び悩んでいるのに対し、店側は利用者が多く、多機能なウィーチャットに可能性を感じ、ミニプログラムへの出店が増えている。出店者が増えるにつれて、偽ブランド品業者の顧客獲得の主戦場もミニプログラムに移ってきている。

 テンセントの上級副社長でウィーチャット事業群の張小龍(Zhang Xiaolong)総裁は、「ウィーチャットは10億人近い月間アクティブユーザーを擁する。ミニプログラムが将来インターネットコミュニケーションにおける情報の運び手として、共通言語となることを期待している」と話している。

 ウィーチャットは、偽物などを扱うアカウントの存在とプラットフォームに対する悪意ある行為に対して、引き続き問題解決に取り組む方針だ。(c)東方新報/AFPBB News