【2月23日 AFP】平昌冬季五輪で23日に日本との準決勝に臨むカーリング韓国女子チームが、「ニンニク少女」の愛称で注目を集めている。

 世界ランキング8位の韓国は、カナダやスイス、スウェーデンらトップチームを倒して準決勝に一番乗りで駒を進め、自国開催の五輪でメダル圏内に浮上した。

 カーリングは韓国でほとんど知られていないスポーツであるにもかかわらず、強豪を打倒するチームの躍進で、会場には大勢の観客が詰め掛けている。

 チームの全選手が韓国で最も多い「キム」姓で、ユニホームの背中にはそろって「KIM」と書かれている。混乱を避けるために朝食の場で考えたとされるのが、「パンケーキ」、「ヨーグルト」、「ステーキ」、「クッキー」、「サニー」というニックネームだ。技術もさることながら、この愛らしい呼び名が魅力を添えている。

 盆唐(Bundang)から訪れたという観客の一人は、「名前がすごく面白いと思う。でもここまで頑張っていなかったら、名前は気にも留めないでしょうけれど」と語った。

 突然の人気上昇とはいえ、一時的な成功を収めているわけではない。選手たちは10年以上にわたり競技を続けている。

 選手たちの地元・義城(Uiseong)は、ニンニクの産地として有名な人口5万4000人の田舎町。2006年に地元自治体の出資によりカーリングセンターが建設された結果、多くの地元学生がカーリングチームに参加し、その中には韓国チームの選手もいた。

 練習のための資金集めにもがき、ファンを引きつけることに悪戦苦闘したが、もはやそれも過去のことになった。

 監督を務めるキム・ミンジュン(Kim Min-jung)氏は「カーリングが、韓国国内でこれほど受け入れられるものかと驚いています。国内でカーリングの人気をもっと高め、誰もが知っているレクリエーションにしたいとずっと思っていたので、ここまでたどり着いたのはうれしいです」と語った。

 とはいえ、韓国チームは自分たちが国内で名をはせる存在になったことを知らなかった。選手たちは気を散らされることを避けるため、競技開始を前に携帯電話の電源を切っていたのだ。

「会場にやってくる観客の数で、多くの注目を浴びていることは選手にも一目瞭然です」とキム監督。

 しかし、出身地の特産物にちなんで「ニンニク少女」と呼ばれていることは選手たちも承知している。キム監督は、「私たちはニンニクは嫌いなんです。単純に『チーム・キム』と呼ばれたいんですけれどね」と明かした。(c)AFP