【2月23日 AFP】反原発の立場を貫くオーストリアは22日、隣国ハンガリーの原子力発電所拡張計画を欧州連合(EU)が承認したことについて、欧州司法裁判所(ECJ)に提訴した。

 欧州委員会(European Commission)は昨年3月、ハンガリーの首都ブダペスト(Budapest)郊外にあるパクシュ(Paks)原子力発電所を、ロシアからの100億ユーロ(約1兆3200億円)の借款で拡張する計画を承認した。パクシュ原発は社会主義体制下の1980年代、旧ソ連の技術で建設されたハンガリー唯一の原子力発電所で、同国の電力需要の約40%を賄っている。

 同原発の原子炉2基を増設する計画は、ハンガリーの強硬なEU懐疑派のオルバン・ビクトル(Orban Viktor)首相とロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が2014年に締結した協定に盛り込まれていた。

 欧州委員会はこの計画について、国庫補助に関するEU規則に適合していると判断していたが、オーストリアがこれに異議を唱えた。

 オーストリアは1970年代後半以降、国民投票で同国初の原発の稼働を開始前に差し止めるなど、反原発の立場を強硬に貫いている。またオーストリアは、2015年に英国のヒンクリーポイントC(Hinkley Point C)原発への国庫補助をEUが承認したことについても、ECJに提訴している。(c)AFP