【2月22日 AFP】メキシコのユカタン半島(Yucatan Peninsula)沖で発見された、巨大な水中洞窟を3D(3次元)のバーチャルリアリティー(仮想現実、VR)で再現するため、人類学者や考古学者、写真家らが協力して作業を進めている。この洞窟からは、南北アメリカ大陸で発掘されたものの中では最も古い、1万3000年以上前の少女の頭蓋骨などが見つかっている。

 専門家らがバーチャルリアリティー化を目指しているのは、スペイン語で「ブラックホール」を意味する「オヨネグロ(Hoyo Negro)」と呼ばれる水中洞窟。キンタナロー(Quintana Roo)州沖にあり、これまでに「ナイア(Naia)」と名付けられた少女の頭蓋骨などが発見されている。

 2007年に考古学者のアルベルト・ナバ(Alberto Nava)氏によって発見されたオヨネグロだが、この洞窟は世界最大規模とされるより巨大な水中洞窟網の一部で、先月、その存在について公表されたばかり。

 洞窟の正確な位置についてメキシコ国立人類学歴史学研究所(INAH)は、略奪などから保護するために詳細を明らかにしていない。

 オヨネグロからはサーベルタイガー(剣歯虎)など、42種類の動物の骨が発見されており、専門家らは研究の進展に期待を寄せている。また、危険だとわかっていながら洞窟に入って死亡したとみられている「ナイア」は、頭蓋骨の他、ほぼ完全な骨格が発見されたという。(c)AFP