【2月23日 CNS】中国の「新4大発明」の一つとされるシェア自転車。市民の外出の利便性を高め、新たな職業や集団も生んだ。自転車の稼働数が140万台を超える四川省(Sichuan)成都市(Chengdu)では、シェア自転車の「守り人」と呼ばれる人々がいる。守り人たちの春節(旧正月、Lunar New Year)は孤独だが、仕事は多忙だ。

 成都市に住む王祖潮(Wang Zuchao)さん(87)は18日、食後の散歩の合間に、近所に放置されたシェア自転車を整理したり、故障車両を自宅マンション下まで運んで施錠し専門の修理スタッフに電話連絡を取ったりしていた。この「いつもの習慣」は半年ほど続いているという。

 成都市のシェア自転車の「守り人」と呼ばれている人たちの中で、王さんは最年長だ。王さんは戦争のため小学校を卒業できず、商店で働いたり、新聞販売などをしたりしていた。「最も深く印象に残っているのは自転車修理を学んだことで、一番好きだったな」と王さんは言う。中華人民共和国設立後、王さんは学校に復学して機械製造を学んだ。「一生、機械とは何かしらの縁があるね」と話す。

 シェア自転車が流行し、街角で手軽に自転車に乗ることができるようになった。以前自転車修理を学んだ王さんは感無量だった。「私が若い頃、自転車はまだぜいたく品で1人1台所有することは無理だった。現在の社会の発展は速く、『シェア』という方法で、皆が自転車を所有できるというのは素晴らしいね」。そんな「シェア」理念に賛同する王さんは、空き時間にシェア自転車を「いじって」いる。