【2月22日 AFP】インドネシア人メイドを殺害したとして、マレーシア人の女が21日、マレーシア北部ブキットメルタジャム(Bukit Mertajam)の裁判所に起訴された。被害女性は屋外で犬と一緒に寝ることを強要され、体は傷だらけだったという。

 M・A・アンビカ(M. A. Ambika)被告(60)は、殺人罪で有罪判決が下れば死刑を言い渡される。事件を受け、メイドの虐待をめぐってかねて対立しているインドネシアとマレーシア両国間では緊張が高まっている。

 20代のインドネシア人、アデリナ・ソウ(Adelina Sau)さんは今月、移民労働者保護団体に救出された翌日に病院で死亡した。ソウさんの頭部と顔面は腫れ上がり、両手と両脚にも複数の傷があった。

 マレーシアのある議員によると、ソウさんは被告の自宅の玄関先で犬と一緒に寝ることを強要されていたという。

 マレーシアでは、合法・非合法合わせて約250万人のインドネシア人が就労しており、メイドとして働く女性も多い。だが、マレーシアでは雇用主によるメイド虐待事件が後を絶たない。

 ソウさんは労働許可を取得しておらず、違法と知りながら雇用した罪でアンビカ被告の娘(32)も起訴された。また、インドネシア側でもこの事件に絡み、人身売買の容疑で2人が逮捕されている。 

 報道によればインドネシア政府は事件を受け、マレーシアへのメイド派遣禁止を検討している。インドネシアは2009~2011年にマレーシアへのメイド派遣を禁止していたことがある。(c)AFP