【2月21日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の長男ドナルド・トランプ・ジュニア(Donald Trump Jr)氏が、訪問中のインドで地元紙のインタビューに応じ、父親が米大統領であることによるトランプ一族のビジネス上の損失は数億ドル規模に上ると語った。

 ドナルド・ジュニア氏は21日付のインド紙タイムズ・オブ・インディア(Times of India)のインタビューで、トランプ大統領の一族が経営する複合企業トランプ・オーガニゼーション(Trump Organization)が世界中で新規事業を断っていると述べた。

 ドナルド・ジュニア氏は「父が在職している間は新規取引を行うことを控えている」とし、「われわれは世界中で数億ドル規模の取引を断っている」と語った。

 ドナルド・ジュニア氏はトランプの名が付いた高級マンション開発の事業推進のために非公式にインドを訪れているが、23日にはインド太平洋地域の連携に関するビジネス会議での演説を予定しており、会議ではインドのナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相も基調講演を行う。

 トランプ大統領はトランプ・オーガニゼーションの経営権を成人した息子たちに譲っているが、事業の売却は拒否し、利益相反の懸念が持ち上がっている。

 また、専門家らはトランプ一族のメンバーがトランプ・オーガニゼーションへの関与を続けていることについて、米政府に便宜を図ろうとする他国の政府から同企業が利益を得る可能性もあると指摘している。

 しかしドナルド・ジュニア氏は、米国外で最大の市場であるインドで同社が重視しているのは既存の開発事業で、新規事業開拓ではないと強調した。(c)AFP