【2月21日 AFP】イングランドサッカー協会(FA)は20日、ウィガン(Wigan Athletic)とのFAカップ(FA Cup 2017-18)5回戦後、相手ファンと口論になったマンチェスター・シティ(Manchester City)のセルヒオ・アグエロ(Sergio Aguero)に対する処分を見送った。

 プレミアリーグ首位のシティは、19日の試合で3部のウィガンに1-0でまさかの敗戦を喫した。アグエロは試合後、ピッチに乱入した数百人のウィガンサポーターの一人ともみ合いとなった。

 DWスタジアム(DW Stadium)での混乱をとらえた映像では、アグエロはファンを遠ざけようと腕を上げ、その後身動きが取れなくなった様子が確認されている。アグエロははたかれたと主張しているという。

 この件でアグエロはFAからの処分を免れたが、シティの歴代最多得点記録保持者は自身が持つ責任について改めて気付かされる形となった。

 アグエロの処分は見送ったものの、FAは前半にファビアン・デルフ(Fabian Delph)が退場した直後、選手たちに行き過ぎた行為があったとして、シティとウィガンに処分を科すと発表している。

「FAカップ5回戦でファビアン・デルフの退場後、選手たちをコントロールできなかったウィガンとマンチェスター・シティに処分を科す。それに加え、両クラブには試合終了時の観客トラブルについて見解を出すよう求めている」

 デルフの退場後、シティのジョゼップ・グアルディオラ(Josep Guardiola)監督とウィガンのポール・クック(Paul Cook)監督も言い争っていた。

 退場をめぐるいさかいはハーフタイム中の選手通路でも続き、テレビカメラにはグアルディオラ監督がスタッフに取り押さえられる様子が映された。

 試合後、グアルディオラ監督はハーフタイム中のトラブルを否定し、クック監督がテクニカルエリアを出ていたことに不満があっただけだと主張した。FAはハーフタイム中には不適切な行為はなかったとしている。

「通路では何も起きなかった。もめ事はなかった。ただ『(クック監督に)自分のポジションにとどまってほしい』と。それだけだった」

 ウィガンは20日、ウィル・グリッグ(Will Grigg)の決勝点によりシティの4冠の夢を打ち砕いた劇的な勝利に水を差したファンの乱入について、徹底調査を行うと発表している。

 トラブルはこれだけでは終わらず、試合後にウィガンのファンが相手サポーターの目の前で歓喜し挑発すると、シティファンも報復としてスタジアムの広告掲示板を破壊し始めた。警察もサポーターと数分間にわたりもみ合いになったとなり、公共の場で乱闘した疑いで2人が逮捕されている。(c)AFP