【2月21日 AFP】第1次世界大戦(World War I)の激戦の一つ「ベルダンの戦い(Battle of Verdun)」で戦場に残されたフランス軍兵士の遺骨の身元が、1世紀を経て、DNA鑑定によって特定された。

 第1次世界大戦で戦死した兵士のDNA鑑定による身元の特定は、英国ではすでに2014年に10人について実施されているが、仏兵では初めての例となる。

 親族のDNAサンプルにより身元が判明したのは、2015年5月に仏北東部ドゥオモン(Douaumont)で戦没者納骨堂の建設工事中に発見されたクロード・フルニエ(Claude Fournier)軍曹の遺骨。

 この納骨堂には仏軍とドイツ軍が10か月にわたる激戦を交えたベルダンの戦いによる戦没者の遺骨が納められている。

 法医学者のブルーノ・フレモン(Bruno Fremont)氏によると、ブルドーザーで作業中、「ほぼ完全な骨格3体分が、完全にもつれた状態で」発見された。また同じ場所から、個人識別に使われる認識票や軍用ブーツ、銃剣、銃弾、ヘルメット、ミントリキュールを入れていた小型容器なども見つかった。認識票は、1916年8月4日に35歳で死亡したクロード・フルニエ軍曹のものだった。

 フルニエ軍曹の出身地であるコロンビエアンブリオネ(Colombier-en-Brionnais)の自治体長が、身元特定のための親族捜しに乗り出し、歴史協会などの協力も得て、フルニエ軍曹の孫に当たる南仏コートダジュール(French Riviera、フレンチリビエラ)在住の75歳の男性、ロベール・アラール(Robert Allard)氏にたどり着いた。

 フルニエ軍曹の遺骨は21日、軍葬によってドゥオモン納骨堂の個人墓地に葬られる。孫のアラール氏も「多くの英雄の中の英雄である祖父と、第1次世界大戦のすべての兵士に対する義務感から」出席すると述べている。(c)AFP/Murielle KASPRZAK