【2月27日 AFP】国際再生可能エネルギー機関(IRENA)は20日、欧州連合(EU)加盟国は、再生可能エネルギーのコスト低下に乗じてこの分野への投資を増やし、2030年までにエネルギー総生産量の3分の1程度を再生可能エネルギーとすべきだと促す報告書を発表した。

 同報告書は、EUは2030年までにエネルギー総生産量の34%を再生可能エネルギーとすることが可能だと主張している。現在の目標値は27%で、34%という割合は2016年の水準の2倍に相当する。

 EUの行政執行機関、欧州委員会(European Commission)のミゲル・アリアスカニェテ(Miguel Arias Canete)委員(気候行動・エネルギー担当)は、EUが委託したこの報告書は太陽光発電と風力発電のコストが低下している中、時宜を得ていると評価。

「再生可能エネルギーのコストがこの2、3年間で大幅に低下してきているという私たち独自の査定を裏付けている」と述べた。

 一方で同報告書は、EU加盟国が現行の計画に固執した場合、再生可能エネルギーは2030年までにエネルギー総生産量の24%を占めるにとどまると警鐘を鳴らしている。EUの再生可能エネルギーへの新規投資は2011年にピークを迎え、その後、世界の他の主要地域と比べて著しく停滞している。

 2030年に再生可能エネルギーの割合を34%にする目標を達成するには、年平均730億ドル(約7兆8000億円)の投資が必要だが、IRENAが描く理想的なシナリオは、大気汚染が軽減されれば医療費の減少につながるためコストは相殺されることになると述べ、EUに対して、あらゆる種類の再生エネルギーや電気自動車の開発、バイオマスや代替的な暖房・空調システムの使用を呼び掛けている。(c)AFP