【2月20日 AFP】米ペンシルベニア州の博物館で、古代中国の兵士をかたどった陶像「兵馬俑」の親指が盗まれていたことが判明し、中国のソーシャルメディア上では犯人に厳罰を求める声が巻き起こっている。

 親指が盗まれたのはペンシルベニア州にある博物館「フランクリン研究所(Franklin Institute)」に展示されていた兵馬俑10体のうちの1体。博物館の職員が先月8日に親指がなくなっていることに気づき、連邦捜査局(FBI)に通報した。

 FBIはその後、デラウェア州ベア(Bear)に住むマイケル・ロハナ(Michael Rohana)容疑者(24)を突き止め、親指をもぎ取って自室の机の引き出しにしまったことを認めたため、同容疑者を逮捕した。

 FBIなどによると、ロハナ容疑者は昨年のクリスマス前にフランクリン研究所で開かれたクリスマスパーティーの後、閉鎖されていた展示室に忍び込んで兵馬俑とセルフィー(自撮り)をし、左手の親指をもぎとってポケットに入れ、友人らとパーティー会場を後にした。

 兵馬俑の価値は1体450万ドル(約4億8000万円)だという。

 ロハナ容疑者には美術品の窃盗、隠匿、盗品の州間移送の容疑が掛けられているが、同容疑者は保釈金1万5000ドル(約160万円)を支払い保釈された。

 中国のソーシャルメディアではこの事件に対して強い非難の声が巻き起こっており、中国の副葬品を利用しようとする者は直ちに厳罰に処されるべきだという書き込みも見られた。(c)AFP