【2月20日 AFP】英北西部リバプールの裁判所は19日、サッカーのクラブチームで長年にわたって多くの少年選手に性的暴行と虐待を繰り返した罪に問われた元コーチのバリー・ベネル(Barry Bennell)被告(64)に対し、禁錮30年の判決を言い渡した。裁判所はベネル被告が1979年から1991年にかけて少年12人に虐待を行なったと認定し、被告を「人の姿をした悪魔」と厳しく非難した。

 マンチェスター・シティ(Manchester City)などのチームでコーチを務めていたベネル被告は先週、強制わいせつや性的暴行、また暴行未遂などを含む数十もの児童への性的虐待の罪で有罪判決を受けていた。

 警察によると、裁判開始後、さらに多くの訴えが寄せられ、被害者の数は100人を超える可能性もあるという。

 クレメント・ゴールドストーン(Clement Goldstone)判事はベネル被告を「人の姿をした悪魔」と非難し、「自分の性的な倒錯のため、子どもたちの幼少期と純粋さを奪った」と糾弾した。

 また、「被害に遭わせる前に子どもたちを誘い、そそのかしたあなたの行為、そしていくつかの件において大変深刻で、下劣で、屈辱的な虐待行為に及んだことは全くもって道義に反する」と厳しく非難した。

 ベネル被告をめぐっては、クルー・アレクサンドラFC(Crewe Alexandra FC)の元選手、アンディ・ウッドワード(Andy Woodward)氏が同被告から性的虐待を受けたと告発したことを皮切りに、2016年にはリバプール(Liverpool FC)やトッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)でプレーした元スター選手、ポール・スチュワート(Paul Stewart)氏も40年の沈黙を破り、10代のころに受けた虐待について告白していた。(c)AFP