【2月19日 AFP】米南部フロリダ州パークランド(Parkland)の高校で起きた銃乱射事件で、ニコラス・クルーズ(Nikolas Cruz)容疑者(19)が昨年11月から身を寄せていた家庭の夫婦が地元紙のインタビューに答え、同容疑者は暴力的な傾向は見られず、変わったところがあって世間知らずだったと述べた。

 ジェームズ・スニード(Jame Snead)さん(48)と妻のキンバリー(Kimberly Snead)さん(49)のインタビューを18日付で掲載した地元紙サン・センチネル(Sun Sentinel)によると、クルーズ容疑者は夫婦の息子の友人で、昨年11月に母親を肺炎の合併症で亡くした後に夫婦が引き取った。

 退役軍人で軍事情報アナリストのジェームズさんは、クルーズ容疑者に「この家の規則を伝え、彼はそのすべてをきちんと守っていた」と明かした。

 看護師のキンバリーさんは「同じ屋根の下にこんな残忍な人間がいたことを、私たちは知らなかった」「そうした彼の側面に気付かなかった」と語った。

 夫婦によれば、クルーズ容疑者は家事などを一切したことがなかったように見え、料理、洗濯、片付けはもとより、電子レンジを使うこともできなかったという。「頭が悪いのではなく、ただ世間知らずだった」とジェームズさんは述べた。

 クルーズ容疑者は孤独でガールフレンドをとても欲しがっていたようで、また母親の死で落ち込んでいたという。キンバリーさんは乱射事件が起きる5日前に同容疑者をセラピストに面会させ、容疑者はセラピーに対して前向きな姿勢で、セラピストの名刺も受け取っていたという。

 クルーズ容疑者は夫婦に、親から少なくとも80万ドル(約8500万円)を相続することになっており、22歳になればそのほとんどが手に入ると話していたという。

 スニードさん夫婦がクルーズ容疑者の姿を最後に見たのはブロワード(Broward)郡保安官事務所で、病衣姿で手錠を掛けられ、保安官代理らに囲まれていた。ジェームズさんは「彼は申し訳ないことをしたと言い、謝っていた。ひどく途方に暮れているようだった」と話している。(c)AFP