【2月19日 AFP】オーストリアで、バーやレストランでの喫煙禁止法を求める請願に3日足らずで10万人の署名が集まり、議会で審議にかけられる見通しとなった。

 同国では今年5月にも喫煙禁止法が施行されるはずだった。しかし昨年末の総選挙の結果、新たな連立政権に加わった極右政党・自由党(FPOe)の要求で同法は撤回された。これを受けて同国医師会が今回の請願を立ち上げた。

 内務省のウェブサイト上に設けられたこの請願には賛同者のアクセスが殺到。16日には2時間にわたってサーバーがダウンした。

 与党の中道右派・国民党(OeVP)を率いるセバスティアン・クルツ(Sebastian Kurz)首相は喫煙しない。総選挙前の前連立政権に加わっていた際には禁煙法を支持していた。

 一方、自由党のハインツクリスティアン・シュトラッヘ(Heinz-Christian Strache)副首相は喫煙者でもあり、禁煙法は「選択の自由」を侵害すると主張。連立条件として禁煙法の撤去を要求していた。

 オーストリアでは13年前から喫煙を禁止する動きはあるものの、バーやレストランでの喫煙が依然認められている欧州最後の国の一つ。

 EU統計局(Eurostat、ユーロスタット)によると、オーストリアでは喫煙可能年齢に達した人の30%が喫煙者で、この喫煙者率は欧州連合(EU)加盟国では3番目に高いという。(c)AFP