【2月18日 AFP】パキスタン中部パンジャブ(Punjab)州カスル(Kasur)で起きた女児暴行殺人事件で起訴されたイムラン・アリ(Imran Ali)被告(24)に対し、裁判所は17日、4件の死刑判決を言い渡した。

 アリ被告は先月、ザイナブ・ファティマ・アミン(Zainab Fatima Ameen)ちゃん(6)を性的に暴行し殺害したとして起訴された。他に少なくとも7人の子どもを襲い、うち5人を殺害した罪でも起訴され、ザイナブちゃんを含む8人全員を襲ったことを認めた。

 死刑判決は、パキスタンの特別テロ対策裁判所が出した。判決後にパンジャブ州司法長官は、アリ被告がザイナブちゃんの暴行殺害に加えて、テロに絡む罪でも起訴され、有罪となったことを明らかにした。パキスタンの法律では、社会に不安を広げたと判断された犯罪がテロ行為として扱われる場合がある。ザイナブちゃんの事件は全国にショックを与え、一連の事件は子どもを標的にした連続殺人犯が逃走中という恐怖をかきたてていた。

 検察当局によると、アリ被告は殺害した子どもの遺体を隠した罪でも終身刑と総額320万ルピー(約310万円)の罰金支払いも言い渡された。検察当局者はAFPに対し、罰金のうち100万ルピー(約96万円)はザイナブちゃんの遺族に対する賠償金に充てられると語った。

 判決公判は厳戒体制の下、ラホール(Lahore)市内のコットラクパット(Kot Lakhpat)拘置所で行われた。記者団は拘置所の500メートル手前で止められ、犠牲者の親族のみが公判の傍聴を許可された。ザイナブちゃんの母親は、アリ被告の公開処刑を希望すると話した。

 ザイナブちゃんの事件を契機に、パキスタン各地で当局の怠慢に対する反発が広がった。カスルでは数千人が警察署に殺到したり、政治家の自宅に放火したりといった騒ぎが起きた。ソーシャルメディアを通じて行動を呼びかける全国的な動きもみられた。(c)AFP