【2月17日 AFP】男子プロテニス協会(ATP)は16日、ニューヨーク・オープン(New York Open 2018)で米国選手2人が激しい口論となった試合について、ライアン・ハリソン(Ryan Harrison)がドナルド・ヤング(Donald Young)に人種差別的な言葉を浴びせた証拠は確認されなかったと述べた。

 アフリカ系米国人のヤングは、同大会の1回戦で試合が白熱してきた際にハリソンから自身の民族性に関する言葉を投げかけられたと主張していたが、この申し立てに対してハリソンは、一貫して内容を否定していた。2人は第1セット途中のチェンジエンドの際に口論になって、審判に離れるよう促された。

 ATPは声明で、ヤングの主張を調査した結果、差別発言に関する証拠は何も見つからなかったとして、「今週行われたニューヨーク・オープンのライアン・ハリソン対ドナルド・ヤングの試合に関して、ATPは徹底調査を行った。試合の映像や当該選手の近くにいた審判や大会関係者らの聞き取りなど、あらゆる証拠を確認した」と述べた。

「残念ながら、試合映像の音声からは口論の内容は聞き取れなかった。今回の調査では、ライアン・ハリソンが試合中に人種差別的な言葉を吐いたという疑惑を裏づける証拠は何も見つかっていない」

 ヤングは3-6、6-7(4-7)で敗れた問題の試合後、「ライアン・ハリソンにはショックだし、がっかりだ。ニューヨークでの試合中に、黒人選手としての僕に対する本音を漏らした」とツイッター(Twitter)に投稿した。

 一方のハリソンも、ヤングの主張は根拠がなく、2人の会話が録音された音声があれば自分への疑いは晴れると主張し、「ドナルド・ヤングの試合後の告発はまったくのでたらめ。試合に負けた腹いせにこんなことを言うのは実に残念だ。映像と音声が僕の潔白を100パーセント証明してくれる」と返していた。(c)AFP