【2月17日 AFP】ブラジルのミシェル・テメル(Michel Temer)大統領は16日、リオデジャネイロ州の治安権限を全面的に軍に移管する内容の大統領令に署名した。犯罪組織による暴力が激化し、対策に伴う危険が増す中での措置。

 リオ州のファベーラ(貧民街)ではすでにパトロールに軍が投入されているが、今回の大統領令により同州における治安作戦の全権が移管される。同国は20年にわたり軍事政権が続いた後、1985年に民政復帰しており、軍が州警察よりも強い治安権限を持つのは同年以降初めて。

 テメル氏は、同州が事実上、組織犯罪集団の支配下にあると指摘。「必要に迫られたため、このような極めて強硬な措置を取る」と説明している。大統領令は10日以内に議会の承認を得る見通し。(c)AFP/Jorge SVARTZMAN