【2月17日 AFP】中国の国営中国中央テレビ(CCTV)で放送され、数億人が視聴した春節(旧正月、Lunar New Year)の特別番組で、アフリカ女性に扮(ふん)するため顔に「黒塗り」をして大きな偽物の尻を付けた中国人女優が登場する寸劇が放送され、人種差別であるとしてインターネット上で激しい批判を浴びている。

 寸劇では、サバンナを背景に色鮮やかな衣装をまとい、果物を入れたお盆を頭の上に乗せた中国人女優の婁乃鳴(Lou Naiming)さんが、猿に扮した俳優を引き連れて登場。娘に扮した別の女優と、番組の中国人司会者と一緒に寸劇を繰り広げて笑いを誘うと、最後に婁さんが「中国が大好き!」と宣言して寸劇は終わる。

 この寸劇は、中国とアフリカの友好関係と、中国政府によるアフリカ大陸へのインフラ投資の増大をアピールする目的で作られたとみられ、他にも草で作ったスカートや羽根の頭飾りを身に着けた黒人のダンサーや、シマウマやキリン、ライオンに扮した俳優も登場する。

 外国のツイッター(Twitter)利用者は、寸劇が「人種差別」的な偏見に満ちていると激しく反発。これは「ブラックフェース」(顔を黒く塗ってステレオタイプ的な黒人の役柄を演じる行為。欧米演劇でかつて慣習化していたが、現代では侮辱的とみなされている)だと非難した。

 また中国国内でも寸劇に不快感を表明する声が上がっており、中国版ツイッター「ウェイボー(微博、Weibo)」には批判的な投稿が相次いだ。しかし中にはCCTVを擁護する声もあり、「人種差別とは思わない。中国はこれをそこまで重大視しない」とのコメントもあった。(c)AFP