【2月16日 AFP】第68回ベルリン国際映画祭(Berlin International Film Festival)が15日、ドイツの首都ベルリンで開幕した。映画スターや活動家らが最近のセクハラ告発運動「#MeToo(私も)」にスポットライトを当て、全世界のエンタメ産業にまん延している性的虐待の根絶を願う気持ちを表した。

 欧州で行われる大規模な映画祭としては今年初となるベルリン国際映画祭は、米国のウェス・アンダーソン(Wes Anderson)監督の最新アニメーション映画『犬ヶ島(Isle of Dogs)』のワールドプレミアで幕を開けた。

 同作で声優を務めた俳優のブライアン・クランストン(Bryan Cranston)、ジェフ・ゴールドブラム(Jeff Goldblum)、ビル・マーレイ(Bill Murray)はAFPに対し、性と権力へのアプローチに大改革を起こす時がきている、と語った。

 クランストンは、プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタイン(Harvey Weinstein)氏によるセクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)や暴行、レイプを100人以上の女性が訴えたことから明るみに出た「忌まわしい行い」に対する衝撃をあらわにし、「女性蔑視の中核が崩れていることは素晴らしいことだと思う」と語った。

 同映画祭の最高責任者であるディーター・コスリック(Dieter Kosslick)氏は、監督や脚本家、俳優らに対して信ぴょう性の高いセクハラの申し立てがあったことを理由に、数本の映画を排除した、と説明した。さらにコスリック氏は、「ベルリン国際映画祭はあらゆる形態の暴力や性的不品行を非難し、それらに反対する」と話した。

 11日間の日程で開催される映画祭ではドイツのトム・ティクヴァ(Tom Tykwer)監督が審査員長を務め、受賞作品は24日に発表される。(c)AFP