【2月16日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の政権によるアジア地域での関与が、北朝鮮によってかく乱されているとの批判が上がる中、南シナ海を航行中の米原子力空母カール・ビンソン(USS Carl Vinson)を中心とした空母打撃群司令官のジョン・フラー(John Fuller)少将は、この空母の存在は米国が同海域で影響力を依然保っている証拠だと述べた。

 報道陣は14日、空路で同空母に乗艦。艦上でフラー少将は報道陣に対し「米国の存在が重要だ」「われわれが南シナ海にいることは非常に明らかだと思う。われわれは作戦行動を取っている」と述べた。

 カール・ビンソンは現在、領有権争いが繰り広げられている南シナ海を、当局者によるところの通常任務に就いている。南シナ海では中国政府が領有権を主張し、軍事施設を建設。領有権を主張する他の国々の神経を逆なでしている。

 フラー少将は「太平洋に位置するこうした国々は海洋国家だ」「こうした国々は安定に価値を置く……これこそがわれわれがここにいる目的だ。しっかりと目に見える実体的な存在だ。米国は再びここにいる」と述べた。

 その一方で、空母打撃群がこの場所に存在するということは、米当局が認めようが認めまいが、中国に対する直接的なメッセージとなっている。

 中国について同長官は、「略奪的な経済政策で近隣諸国を威嚇しながら、南シナ海(South China Sea)の地形の軍事化を進める戦略的競合国である」と述べた。

 映像前半は、南シナ海を航行する米原子力空母カール・ビンソン。1~2月撮影。後半は、同空母の甲板にある戦闘機F18スーパーホーネット(Super Hornet) や、米国とフィリピンの軍当局者ら。14日撮影。(c)AFP