【2月16日 AFP】走る際に4足から2足に一瞬で切り替えることができる一部トカゲの能力は、速力を出す必要性によって進化したものと考えられているが、これは最近に始まったことではないとする研究論文が15日、発表された。

 韓国ソウル大学(Seoul National University)の李隆濫(Lee Yuong-Nam)教授(古脊椎動物学)らの研究によると、韓国で発見された小型のイグアナの祖先が残した足跡化石の調査から、恐竜が地球を支配していた1億1000万年前には、すでにトカゲたちが後ろ足で走り回っていたことが明らかになったという。

 李教授は、2004年に実施した化石探索中に板状泥岩で長さ約2センチ幅1.5センチの足跡を29個発見した。「当時は翼竜(絶滅した翼を持つトカゲ)の足跡の方に興味があったので、これらはほとんど重要でない小動物の足跡にすぎないと当時は考えていた」とAFPの取材に語った。

「採集したトカゲの足跡はずっと博物館に保管していたが、2年前にようやく(この足跡のある)板状泥岩を再調査した。新たな視点から調べ直したところ、足跡は非常に典型的な現生種トカゲの足の形態的特徴を持つことが分かった」

 李教授によると、この足跡は知られている限りで世界最古のトカゲの足跡であることが判明したという。足跡を残した動物はイグアナの祖先である可能性が高く、尾を除く全長は約6.8センチだ。

「足跡の化石は、動物の行動の痕跡を直接的に示す」と話す李教授は、「一部現生種のトカゲは2足で走ることができるが、今回の発見によって、この能力がいつ発達したかが初めて明らかになった」と指摘している。

 通常では、前足より長い後ろ足を持つトカゲが、走る速度まで加速する場合に二足走行を見ることができる。

 板状泥岩には前足より後ろ足の足跡の方が多く残されていた。これは2足で走るの場合と一致する。足跡の並び方と分散具合にも同じ特徴がみられた。

 英科学誌ネイチャー(Nature)系オンライン科学誌「サイエンティフィック・リポーツ(Scientific Reports)」に掲載された論文によると、これらの分析結果により、研究チームは足跡が「2足で走っているトカゲによって」残されたと結論付けることができたのだという。これは「進化の早い段階でトカゲが二足走行が可能であったこと」を示唆するものだ。

 メキシコには、キリストトカゲ(バシリスク)という二足走行できるトカゲの仲間がいる。その名前は、上体を半分起こして前足を中ぶらりんにしたまま後ろ足だけで水上を走る特異な姿に由来している。(c)AFP