【2月16日 AFP】米フロリダ州の高校で発生した銃乱射事件を受け、犯行に使われたのと同型のアサルトライフルを無料くじの景品として出品していた米下院選の共和党候補に批判が殺到している。カンザス州のタイラー・タナヒル(Tyler Tannahill)候補は15日、くじは翌16日開催の州共和党大会に合わせて企画したものだとして、決行する意向を表明した。

 銃規制反対派のタナヒル氏の陣営は事件に先立ち、半自動アサルトライフル「AR15」を景品としたくじの実施を発表していた。

「言うまでもなく私も妻も、被害者たちのことを思って心がとても重い」。タナヒル氏はAFPに対し、フロリダ州の事件についてこう語った一方、「法を犯した人物についても、合法的に責任を負って銃を所有することは罰せない」とも述べた。

 タナヒル氏は元海兵隊員で、イラクやアフガニスタンに派遣された経験がある。中絶反対派でもある。今回のくじには既に400人以上が応募しているという。

 タナヒル氏に注目を集めようとする陣営の「くじ作戦」をめぐってはソーシャルメディア上で「無神経もほどほどにしろ」「恥を知れ」など批判の声が相次いでおり、17人が死亡した乱射事件直後の実施を疑問視する人もいる。

 タナヒル氏はくじ実施のタイミングについて不安はないと主張しつつ「昨日の不幸な出来事が、対話の流れを変えてしまった」と認め、訓練や啓発運動を改善し、より強く健全な精神の土台を築く必要があると語った。(c)AFP