【2月16日 AFP】世界保健機関(WHO)は15日、必要のない場合にまで帝王切開などの介入が行われる分娩(ぶんべん)の事例が大きく増加していることを受け、世界中で用いられている医療基準を見直したことを発表した。

 WHOリプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)部門のオルフェミ・オラダポ(Olufemi Oladapo)医師によれば、1950年代以降、子宮頸部(けいぶ)の開大が1時間に1センチより遅い分娩は「異常」と見なされてきた。それよりも進行が遅い場合には、帝王切開を実施するか、分娩促進効果があるオキシトシンなどの薬剤を使用して対応が取られる傾向があるという。

 オルフェミ氏は「過去20年余り、女性に対する不必要な医療介入が増え続けており、一部の女性に対して無用の介入があまりに多く行われているのが現状だ」と説明した。

 15日に発表されたWHOの新たな指針は、1時間に1センチという基準の適用をやめるよう勧告。全ての出産に当てはまる基準はないとしながらも、初産の場合は12時間未満、2人目以降の出産では10時間未満の分娩は正常と見なすべきだとしている。(c)AFP