■外国人には「異様な光景」

 男性たちは「どこにでもいるような女の子」と触れ合うことに引きつけられていると話すのは、あいちゃんのマネジャー、大隈秀徳(Hidenori Okuma)さんだ。

「(ライブに)高校生アイドルが出てくると、行ってしゃべったら楽しい。それでみんな集まってくる」と大隈さん。「今だと小学生グループも出ていて(中略)私は小学生の女の子が好きですって堂々と言う人が多くて。そう言える空間が用意されている」

 あいちゃんの母親ヤマザキマミ(Mami Yamazaki)さん(当時26)によると、あいちゃんがアイドルになりたいと思うようになったのはスターの座を目指して努力する少女たちを描いたアニメ「アイカツ」がきっかけだという。

「テレビを見れば子どもたちがドラマやCMに映っていて、子ども服の雑誌を見ればきちんとお仕事としてモデルをやっている子どもたちがいる」「(あいちゃんがやっていることは)雑誌やテレビで映っている子どもたちとあんまり変わらない」とヤマザキさんは語る。

 自身も10代の頃にバンド活動をしていたというヤマザキさんは、娘の活動はアイドルとして成功する道だと考えている。

 まれに見る成功を収めたアイドルグループの一つ「AKB48」が示してみせたように、こうした活動は有名になるための手段となり得るのかもしれない。彼女たちが秋葉原の小劇場から活動をスタートさせたとき、AKB48の最年少メンバーは11歳だった。

 しかし、地下アイドルのライブに訪れる観客の圧倒的多数は成人男性だ。彼女たちの活動が成功への足掛かりだとするならば、それは少女たちが成人のファンと交流したり、一緒に写真を撮ったり、Tシャツの背中にサインをしたりしなければならないということでもある。

 外国人には「異様な光景ですよね」と姫乃さんはいう。一方で、ファンからの性的なアプローチは絶対に「ダメ」だと強調した。

 日本社会に潜む小児性愛(ペドフィリア)の問題は数字からも見て取れる。警察庁の統計によると、児童ポルノの被害が確認された未成年者の数はこの10年間で5倍に増加した。