【2月15日 AFP】平昌冬季五輪は15日、フィギュアスケート・ペアのフリースケーティング(FS)が行われ、ドイツのアリオナ・サフチェンコ(Aliona Savchenko)/ブリュノ・マッソ(Bruno Massot)組がFSの世界記録を更新する見事な演技を披露し、逆転で金メダルを獲得した。

 鮮烈な4分半の演技を見せたドイツの2人は、世界王者で金メダルの最有力候補と言われていた中国の隋文静(Wenjing Sui)/韓聰(Cong Han)組に競り勝った。

 中国ペアは隋文静がバランスを崩す場面があり、1点に満たない差で金メダルを逃した。カナダのメーガン・デュアメル(Meagan Duhamel)/エリック・ラドフォード(Eric Radford)組が銅メダルを獲得した。

 サフチェンコは、5回目の五輪で悲願の金メダル獲得となった。ショートプログラム(SP)では、マッソの3回転サルコーが2回転になる、本人もショックを隠し切れない残念なミスで4位と出遅れたが、マッソは1日で立て直して実績十分のサフチェンコと息の合った滑りを見せ、アーマンド・アマール(Armand Amar)の「空から見た地球(La Terre vue du ciel)」に乗せたプログラムで観客を魅了した。

 最後はリンクに倒れ込みながら抱き合った2人は、マッソがパートナーに一礼してから「キスアンドクライ」へ向かい、昨年12月のグランプリ(GP)ファイナルで自分たちが出した過去最高点を更新する159.31点という結果が表示されると涙をあふれさせた。同組は合計で235.90点を記録した。

 その後、2人は残りの演技を見つめたが、隋/韓組は惜しくも合計235.47点、団体金メダルのデュアメル/ラドフォード組は230.15点と、その栄光を阻む点数は最後まで出なかった。リンク上で行われた表彰式では、マッソが自らの氷上の女王を一番高い場所へ抱え上げ、観客から大歓声を浴びた。

 ウクライナ生まれのサフチェンコは、自身初の五輪となる2002年のソルトレークシティー大会にはウクライナ代表として出場。その後ロビン・ショルコウィー(Robin Szolkowy)とパートナーを組んだ関係でドイツに国籍を移し、過去3回の五輪に出場してきたが、結果はバンクーバーとソチで銅と、世界選手権5回優勝という驚異的な実績からすれば物足りない結果に終わっていた。(c)AFP/Nick REEVES