【2月15日 MODE PRESS WATCH】ラフ・シモンズ(Raf Simons)が手がける「カルバン・クライン(Calvin Klein)」は、アンディ・ウォーホル美術財団とのパートナーシップにより、アンディ・ウォーホル(Andy Warhol)の「銀の雲:Silver Clouds」を再現したインスタレーションを発表した。米・ニューヨークにあるマディソン・アベニュー旗艦店にて、2月28日まで公開される。

 ウォーホルのオリジナル作品は、枕のような形をした銀色に光る15個の風船で構成され、47番街に存在したクラブハウスで「シルバー・ファクトリー」と命名された自身のスタジオの妖しげなインテリアを映し出していた。現代美術の重大な分岐点となった作品と言われており、芸術作品とそれを見る人との間にある従来の境界線をあいまいにする、当時としては因習を打破する稀有な作品であり、1966年にニューヨークのレオ・カステリ画廊で初公開された。

 50年以上も前のオリジナル作品と同じ比率で再現される今回のインスタレーションでは、つながれていない数百個のクロムメッキのような「雲」に空気とヘリウムガスを充填する。雲は空中に自由に浮かび、店内を訪れる人々の動きに合わせて漂う。風船には、2018年春のランウェイ・コレクションに登場したウォーホルの「死と惨禍シリーズ」の歪んだ金属の残骸の画像や、ウォーホルと親しかった俳優のデニス・ホッパー(Dennis Hopper)とサンドラ・ブラント(Sandra Bland)のポートレートなどがプリントされている。ゾッとするようなその恐ろしい画像がポップなカンバスにプリントされており、ダイナミックなコントラストを生み出している。

 カルバン・クライン社とアンディ・ウォーホル美術財団とのパートナーシップは2020年まで締結されており、今後もさまざまなプロジェクトが期待される。

■関連情報
・カルバン・クライン公式サイト:http://www.calvinklein.com/
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