【2月14日 CNS】最後のジャンプを終え、平昌冬季五輪スキージャンプ女子の中国代表、常馨月(Chang Xinyue)選手(24)は取材カメラに対し、笑顔でユニフォームの中国国旗を示して見せた。常選手は、中国のスキージャンプ女子選手の歴史を開いた。スキージャンプ女子の中国代表として初めて、冬季五輪に参加したのだ。

 スキージャンプノーマルヒル女子個人決勝が行われた12日、常選手の成績は上々だった。1回目のジャンプで69.6点の成績を出し、順調に2回目へと進み、85.3点を記録。合計154.9点で20位に入った。常選手は「自分に200点をあげたい!」とすがすがしく話した。

 常選手はかつてスピードスケート・ショートトラックの選手だったが、2010年にスキージャンプを始めた。「男っぽいところがあるので冒険したくなる。偶然にスキージャンプをする機会に恵まれ、初めて飛んだ時に達成感を感じた」と話す。

 常選手は8年の歳月を経て、平昌冬季五輪に挑んだ。蔵王で1月に開催されたスキージャンプW杯では15位を記録し、平昌への最後の切符を手に入れた。

「本当に平昌に行けると思っていませんでした。ただ毎試合、全力を出すことだけに集中していました。平昌に着いた時はとても興奮しましたが、落ち着けと自分に言い聞かせました」と話す。五輪の舞台でも、常選手は初めてながら競技中は落ち着いて見えた。

 コーチを務める王建勳(Wang Jiangxun)氏も、かつてはスキージャンプ男子の中国代表として初めて、トリノ冬季五輪に参加した。平昌は、常選手にとっても王コーチにとっても夢だった。常選手は王コーチとの出会いに、「縁を感じる」と話す。

 常選手は、「コーチはとても熱心で、指導はとても厳しいです。ビデオで動きを毎日確認し、各国選手の動きもチェックします」と話す。平昌では「リラックスをすること、五輪の雰囲気を思いっきり味わうこと」と王コーチからアドバイスを受けていた。

「平昌に出ている選手たちはとても優秀で、競技に対する彼女たちの姿勢を感じられたことが最大の収穫」と常選手。また、中国国内にジャンプ台が少ないため、練習する時間が他国の選手と比べて少ないとも話した。「1年のうち7〜8か月、日本や欧州などで大会に出場し、残りの時間で練習をしています」

 平昌冬季五輪が終わり、次の目標は4年後の北京冬季五輪だ。「中国でスキージャンプへの関心が高まり、国内のジャンプ台が増えたら、2022年の北京(Beijing)ではきっと、選手は私だけではなくなると思う」と話した。

 進化を続ける常選手に、これからも注目したい。(c)CNS/JCM/AFPBB News