【2月14日 AFP】中国は、係争水域の南シナ海(South China Sea)に面した港の沖合で、無人船航行技術の試験場建設に着手した。完成すれば世界最大となる。無人船舶の航行技術は軍用・民用いずれにも応用できる。国営新華社(Xinhua)通信が13日報じた。

 同通信によれば、試験場はマカオに接する同国南部の港湾都市、珠海(Zhuhai)沖に建設されている。

 無人の「自律航行」技術はまだ黎明(れいめい)期にあるが、実用化されれば、軍用・民用を問わず船を遠隔操作できるようになる。また、無人船では貨物用のスペースをより広く取れる上、巨額の人件費を削減できるため、運輸業界に革命をもたらす可能性もある。

 珠海の無人船試験場の総面積は約770平方キロメートルで、完成すれば世界最大になるとみられるほか、同種の施設としてはアジア初となる。

 欧州連合(EU)や米国では既にさまざまな無人船開発計画が存在する。またノルウェーは今年、電動の自律航行貨物船を世界で初めて進水させる予定。

 中国はこの分野で追い上げを図っており、河川輸送や島しょ部への物資運搬に用いる独自の自律航行船「筋斗雲(Jindouyun)」を年内に進水させる計画。(c)AFP